不動産鑑定士試験攻略までの記録

かれこれ4年間にわたってチャレンジし続けている、不動産鑑定士試験。
2021年度試験からは民法が改正後のものになるようなので、その前に合格すべく、勉強を進めています。

ここでは、合格を目指して学習していく中でやってきたこと・失敗したこと・戦略などをまとめていきたいともいます。

資格試験予備校はどうするか?問題

独学の検討

独学派も、少数ながらいらっしゃるようです。
ところがこの試験、やはり試験範囲が多岐にわたるので、試験対策としてのポイントを抑えるためには資格試験予備校を使う方が圧倒的多数のようです。

僕も、資格試験予備校(TAC)を活用しました。

資格試験予備校

不動産鑑定士試験の講座を開催している予備校は、TACとLECの2か所だけです。
中でも、。

LECも講義の質について評判のよさを耳にしますが、合格者を数多く輩出して圧倒的なシェアを持つTACを選びました。

不動産鑑定士試験の情報収集

試験を有利に進めるためには、情報収集が必要です。
このような競争試験においては、情報の質と量がものをいうはず。

合格体験記まとめ

難関資格になると、やみくもに勉強しても合格は近づけません。
そこで参考にしたのが、資格予備校が出している「合格体験記」です。
実際に試験をパスした方々の、生のアドバイスが得られる数少ない情報源。

また、数人の合格者にお話を聞いた限り、ほぼ全員が「合格体験記」に目を通していたとのこと。
これを活用しない手はありません。
ここでは、自分自身の備忘録も兼ねて手元にある合格体験記のエッセンスを書き留めておきます。

教材編

  • 資格試験予備校を活用する
  • 市販書は、ほどほどに活用
  • メインの教材を絞り、書き込みを一か所にまとめる
  • ノートは使わず、「最後まで使う教材」に書き込む

トレーニング編

  • 問題に対して、「一言で答えるなら?」を自問自答する。
  • ちょっとした定義など、自問自答してこたえられるかをチェック。
  • ミニテストを何度も繰り返し、完璧にする
  • アウトプットの練習を多くする
  • アウトプットは疲れている夜におこなう
  • 答練を繰り返し復習する
  • 答案作成で、”書く”練習を重ねる
  • 答えを覚えてしまうくらいに、過去問を解く
  • 答練から、答案構成/作成の方法を学ぶ
  • 教養科目の過去問は、解かない
  • ランキング上位の方に近いレベルになるまで、繰り返し同じ問題を解く
  • より難しい問題に、常にチャレンジする(簡単な問題に対峙したときに、高い視点から見ることができる)

内容理解

  • 分からないところは、テキストを何度も読む
  • テキストは、辞書替わりに使う
  • ミスしたところだけ集めたミスノートを作る。答練前に見直し。
  • 分からない論点は、図などをつかって書き出して整理
  • 講義を受けたら、次回までに復習を終わらせる
  • 苦手科目は作らない
  • 論点を「一言でいうとなにか」を答えるようにする
  • 答練:初見で解けなかったところ、覚えるべき項目、開設に書かれた関連論点をQ&Aで列挙(復習方法)直前期には、これだけ見る
  • 基本テキストと、答練を関連づける。答練で出題された論点を基本テキストの該当箇所にチェック/答練を解きなおしたときには、テキストの該当箇所を思い出す。基本テキストを眺めるときには、答練を思い出す。
  • 返却答案はスキャンして、データとして持ち歩く
  • 講義は複数回受け、2回目以降の講義では、再生速度を上げ、次に講師が何を言うか予測しながら聞く
  • 移動時間には、講義ビデオを視聴 (テキストだと、眠くなる)

暗記方法

  • 最初から暗記せず、まずは理解を優先
  • 直前期まで、暗記はしない。まずは基礎をしっかり固める
  • 理解できると、暗記がスムーズ
  • 毎日時間を決めて、暗記作業をする
  • 早朝に音読
  • 夜に暗記、朝に再度暗記を繰り返す
  • 基準暗記CD
  • 暗記が苦手でも、何度も繰り返せば覚えられる
  • 教養科目は暗記が楽な順番に、経済>民法、会計

スケジュール編

  • 中長期的な戦略が合否を分ける
  • スケジュールには、概算で予想を立てる。答案構成、復習で20分/問→50問なら17時間、など。
  • 直前期の過ごし方で合否が分かれる
  • 合格体験記を参考に、自分に合った学習スタイルを確立する
  • 教養科目は、1年間を通じた勉強計画を立てる

メンタル面

  • 答練は、本番同様緊張して全力で受ける
  • 不安は一人で抱え込まない
  • 受験仲間をつくり、問題の出し合い、教えあい、問題を一緒に解く
科目学習方法
鑑定理論①各章・各論点同士のリンクをはる(体系的に理解)
②論点ごとに、答練の回数を記録
③暗記の前に、理解を先行する
④テキストを理解する
⑤答案構成の15分をスムーズに乗り越える準備をする(答案構成の練習)
⑥過去問は、平成1年~18年を中心に
⑦基準暗記は8日で1周させる
⑧教材は、特効ゼミ、旧三次試験問題
⑨過去問は、解くのではなく、覚える
⑩問いに対する答えを覚える(要点を1、2行でこたえられるように)
⑪教養科目の時間確保のため、できるだけ早い段階で仕上げる
⑫過去問は積極的に利用
⑬過去7年分の過去問を反復
⑭過去問は、答案の書き方の参考にする
⑮総学習時間の3割は鑑定理論に充てるべき
⑯過去問、答練など、多くの問題で答案構成を繰り返し行う。
⑰基準の基本フレーズ、テキスト右ページのよく使うフレーズをボイスメモで録音して、隙間時間に聞きまくる。
⑱重要部分をノートに書きだして、暗記。
⑲答案のボリュームがあった方が良い
⑳こう聞かれたら、こう答えるという答案構成力が明暗を分ける。
〇過去問を何回転も回す
〇重要ポイントは、基準に書き込む
鑑定演習①アクセスの模範解答、優秀答案を参考に項目立て
②電卓技術を習得
③反復
④書くべきところ、書かなくていいところを知る
⑤1問1時間で解く
⑥類型ごとの流れを体にしみこませる
⑦練習勝負
⑧何度も解いて、精度とスピードを鍛える
⑨やった分だけ伸びる。アクセスコースを活用
行政法規①講義のポイントを理解する
②過去問を反復
民法①論点名と事例図を覚える
②論証例を暗記
③誰を勝たせるために、どの条文を使うか考える
④基礎的な論点を、理解優先で行う
⑤講義レジュメを繰り返す
⑥論点をノートにまとめて暗記
⑦問題形式で論点を整理
⑧理解+答案構成
経済学①ミクロはモデルをたくさん覚える
②マクロは、グラフのシフトを理解する
③試験委員対策をする
④答練、総まとめを何度も解く
⑤基本・総まとめテキストで講義を復習。基本で取りこぼさない。
会計学①定義、論点を書けるようにする
②基礎的な論点を、理解優先で行う
③答練で覚えるべきか所にマーカー、繰り返す
④固定資産を中心に、定義、要件等を暗記
⑤答練、総まとめテキストを見直し

僕自身の受験対策について

ここからは、僕自身が受験生活を送る上でやってきたこと、気を付けたこと、失敗したことなどを書いていきたいと思います。

これまでやってきて「失敗した」と感じたこと

数多く、失敗したと感じたことがあります。

これらの反省点は、今回に生かさなければならない。

通勤時間でやる教材を増やしすぎた

通勤時間も勉強時間にあてていますが、持ち歩く教材を増やしすぎました。
これの何がいけないかというと、

  • 勉強を始める前に、迷いが生まれる
  • 慣れた教科についつい手が入ってしまう
  • 苦手な教科の学習が進まない
  • 荷物が重くなる

などといったことが起き、あまり良いことではないと思いました。
その日にできる範囲の教材のみを持ち運ぶことを鉄則としています。

鑑定理論|過去問を回す回数が少なかった

特攻ゼミの『マスター問題集』にとらわれすぎて、本試験問題の過去問をおそろそかにしてしまいました
『マスター問題集』も、過去問から良質な問題を集めてはいるものの、80問という限られた問題数では、本番向けの実践力は付け切ることができないのではないかと思いました。

また、予備校の講義やマスター問題集では、基準の「重箱のすみ」を問うような論点は出題されず、基準の理解が深めきれないと感じました。
そうなると、やはり過去問を解くことは、合格への絶対条件なのではないかと思ったわけです。

暗記を優先させすぎた

「不動産鑑定士試験=暗記」というイメージが強すぎたせいだと思います。
理解の前に、暗記を優先させすぎてしまった。
特に鑑定理論では、これが一番の失敗だと感じました。

理解せずに暗記を優先させてしまうと、ちょっとパターンの違う問題に対応できません。
それもそのはず、論文試験では暗記の精度よりも『不動産鑑定評価基準』の理解を問うているからだと思います。
ただ単に暗記しただけでは、この試験は突破できないと実感させられました。

民法ばかりに時間をかけすぎた

あくまで、この試験では鑑定理論をメインに学習すべきだと感じました。
(足切りラインがあるので、教養科目も、合格ラインまでは持っていく必要はある。)

この試験は、600点満点中、300点が鑑定理論です。
当然、最優先科目は「鑑定理論」。

ところが、2回目のチャレンジの時に民法の得点が悪かったので、民法に重点を置きすぎた学習をしてしまいました。これが失敗。
力を入れるのは悪いとは思っていませんが、比重を間違えました。

行政法規|過去問を回す回数が少なかった

一次試験科目の、行政法規は過去問を回せば合格点に届くと言われます。
ところが、一次不合格のときには、5肢択一という一問一問の重さと、問題数のボリュームに挫けて、悲鳴を上げながらようやく3回程度回転させるのが限界でした。
仕事の繁忙を甘く見ていたので、学習の計画が甘かったのが失敗の原因。
長期的な視点で、学習計画は立てるべきと感じました。

試行錯誤の記録

基本的な方針の設定

まずは合格体験記と、昨年までの自分の失敗をベースに、学習の大きな方針を決めました。

まずは、鑑定理論からです。

  • 鑑定理論を3月までに完成させる
  • 不動産鑑定評価基準の暗記はしない
  • 特攻ゼミマスター問題集の内容理解を優先する

演習

  • アクセスαを解き、解答フローを確認する
  • 過去問をとき、解答フローを確認する

次は、民法。

  • 4月ごろから学習をスタートさせる
  • まずやることは、基本論点問題集の内容理解
  • 論証例部分を、暗記
  • 『基本論点問題集』の解答例を再現できるようにする

経済学。

  • ミクロは、答練で出題されたモデルを再現できるようにする
  • マクロは、45度線、IS-LM、AD-AS分析を中心に、グラフシフトを再現できるようにする

会計学。

  • 講義の論点を、「一言でいうと?」とまとめる
  • 自分で問題を作成し、理解を確かめる

受験対策の完成形(暫定)

ここでは、今現在の「最適な勉強方法」をまとめました。
「これはダメかなぁ…」と判断したものは、「失敗したと感じたこと」に降格します。
バージョンアップを重ねて、試験前にはこのセクションが充実していることが目標。

勉強の前提となる、抽象的な内容

具体的な勉強内容に入る前に、心構えやスケジュール管理などの「勉強以前の内容」をまとめました。

勉強会|受験仲間を見つける

他の難関資格などでもよく言われますが、「勉強の仲間を作ると良い」とはよく言われます。

これまでは、一人孤独に勉強に立ち向かうスタイルでした。
ところが、幸いにも前職の先輩で鑑定士を目指している方がいらっしゃったので、毎週時間を決めて一緒に学習することにしました。

  • 途中で嫌にならずに、決めた範囲をやり通せる
  • カリキュラムに妥協が生まれない
  • わからないところは、教え合える

などなど、メリットが多いことがわかりました。

時間は、日曜日の朝7:00〜12:00までの、5時間。
スターバックスの開店と同時に、勉強を開始します。
一人で勉強するよりも、より集中した環境で学習できました。

長期的なスケジュールを立てる

試験日から逆算して、長期的なスケジュールを立てました。

科目ごとにやるべきことを絞って、できる範囲の分量を継続して習慣化していくというスタイル。
科目ごとのやるべきことは、現状次のように決めました。

  • 鑑定理論:過去問 平成元年〜平成17年
  • 行政法規:過去問 30問
  • 民  法:基本論点問題集2問分
  • 経  済:アクセスα1問分
  • 会  計:総まとめテキスト問題2問分
  • 演  習:アクセスα1問分

これを週一回の勉強会でやった上で、次回までに復習を済ませます。
すべての科目を、復習をしながら徐々に完成させられるので、無駄なくできていると思います。

持ち運ぶ教材は、最低限のものにする

無駄に多くの教材を持ち運ぶことはやめました。

「その日にできる教材を、最低限持ち歩く」

これにより、「遅くとも、確実に」学習を進めることができました。

具体的な学習内容

学習を進めていく中で、個人的に「こうして良かった」と思ったことをまとめてみます。

鑑定理論の教材

まずは、平成元年〜平成17年の過去問の答案構成からスタートしました。
答案構成の誤りや、抜けを検証して、ポケット版の『不動産鑑定評価基準』に書き込みをするスタイルを取りました。

民法の教材

合格者のかたが口を揃えて「使い込んだ!」とおっしゃる問題集、『民法基本論点問題集』を活用しました。

「基本」と銘打っていますが、基本講義で「ちょっと応用だけど…」と紹介される論点も網羅しています。
この問題集で出てこない論点は、捨ててしまっても合否に影響はないのではないかと思っています。

民法の点数が悪かった時に、思いっきり極めて点数が劇的に伸びたのは、この問題集のおかげだと思っています。
(他に何もやっていなかったので、間違いない。)

初めは、暗記をしない

「不動産鑑定士=暗記」というイメージが強いですが、試験勉強の滑り出しでは暗記をしませんでした。

これまでの受験経験でも、暗記を優先させると理解が後手後手に回ってしまうことを経験していたからです。
特に、鑑定理論の過去問ではマイナーな論点もチョコチョコと出題されており、全体的な『不動産鑑定評価基準』の流れをおさえることを、第一目標にしました。

役に立った教材

鑑定理論|ポケット版不動産鑑定評価基準

鑑定理論の学習では、どんなキレイゴトを言ったって基準の暗記が必要です。
そんな基準を覚えるのに活用したのがこの、『ポケット版不動産鑑定評価基準』です。

僕の場合には、TAC初年度受験・上級本科生向けの講義いずれをとった時にも配布されました。(今は変わっているかもしれないので、要確認です)

とにかくコンパクトサイズで基準が持ち運べるのが魅力。
論点間のつながりや、補足説明などを書き込むことで理解を促しています。

民法|『基本論点問題集』

絶版になり、プレミアがついています。
値段が釣り上がっていることからもわかりますが、鑑定士試験において超重要教材だと思うのが、この『基本論点問題集』です。

とにかく、合格に必要な論点が詰め込まれた良書。
民法が苦手でどうしようもなかったところ、この問題集を徹底的にやったら異様に点数が伸びました。
今年度の試験でも、民法はこの問題集だけを徹底的にやっていくつもり。

番外編|役に立ったグッズ

鑑定士試験を進めていく中で、役に立ったグッズをご紹介します。

紳士なノートB5サイズ

「書くストレス」を解消してくれるのが、この紳士なノートB5サイズです。

滑るような書き心地で、ペンが紙に引っかかる感覚がほとんどありません。
長文を描き続ける「答案作成」はもちろんのこと、素早く書き出したい「答案構成」でもストレスを減らしてくれます。

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