不動産鑑定士試験の勉強方法【5度目の受験の、途中経過を報告】

4年間受験を続けている不動産鑑定士試験、今年で5度目の挑戦となります。
2021年度試験からは民法が改正後のものになるようなので、その前に合格すべく、勉強を進めています。

この記事を読むことで、次のようなことがわかります。

  • 試験失敗者の体験から、試験の敗因分析ができる
  • 合格体験記から、合格者のパターンがわかる
  • 2020年試験を受験する人どのような学習を進めているか分かる

資格試験予備校か、独学か

独学の検討

独学派も、少数ながらいらっしゃるようです。
ところがこの試験、やはり試験範囲が多岐にわたるので、試験対策としてのポイントを抑えるためには資格試験予備校を使う方が圧倒的多数のようです。

僕も、資格試験予備校(TAC)を活用しました。

資格試験予備校

不動産鑑定士試験の講座を開催している予備校は、TACとLECの2か所だけです。
中でも、。

LECも講義の質について評判のよさを耳にしますが、合格者を数多く輩出して圧倒的なシェアを持つTACを選びました。

不動産鑑定士試験の情報収集

試験を有利に進めるためには、情報収集が必要です。
このような競争試験においては、情報の質と量がものをいうはず。

合格体験記まとめ

難関資格になると、やみくもに勉強しても合格は近づけません。
そこで参考にしたのが、資格予備校が出している「合格体験記」です。
実際に試験をパスした方々の、生のアドバイスが得られる数少ない情報源。

また、数人の合格者にお話を聞いた限り、ほぼ全員が「合格体験記」に目を通していたとのこと。
これを活用しない手はありません。
ここでは、自分自身の備忘録も兼ねて手元にある合格体験記のエッセンスを書き留めておきます。

教材編

  • 資格試験予備校を活用
  • 市販書は、ほどほどに活用
  • メインの教材を絞り、書き込みを一か所にまとめる
  • ノートは使わず、「最後まで使う教材」に書き込む

トレーニング編

  • 問題に対して、「一言で答えるなら?」を自問自答する。
  • ちょっとした定義など、自問自答してこたえられるかをチェック。
  • ミニテストを何度も繰り返し、完璧にする
  • 答練を繰り返し復習する
  • アウトプットの練習を多くする
  • アウトプットは疲れている夜におこなう
  • 答案作成で、”書く”練習を重ねる
  • 答えを覚えてしまうくらいに、過去問を解く
  • 答練から、答案構成/作成の方法を学ぶ
  • 教養科目の過去問は、解かない
  • ランキング上位の方に近いレベルになるまで、繰り返し同じ問題を解く
  • より難しい問題に、常にチャレンジする(簡単な問題に対峙したときに、高い視点から見ることができる)

内容理解

  • 分からないところは、テキストを何度も読む
  • テキストは、辞書替わりに使う
  • ミスしたところだけ集めたミスノートを作る。答練前に見直し。
  • 分からない論点は、図などをつかって書き出して整理
  • 講義を受けたら、次回までに復習を終わらせる
  • 苦手科目は作らない
  • 論点を「一言でいうとなにか」を答えるようにする
  • 答練:初見で解けなかったところ、覚えるべき項目、開設に書かれた関連論点をQ&Aで列挙(復習方法)直前期には、これだけ見る
  • 基本テキストと、答練を関連づける。答練で出題された論点を基本テキストの該当箇所にチェック/答練を解きなおしたときには、テキストの該当箇所を思い出す。基本テキストを眺めるときには、答練を思い出す。
  • 返却答案はスキャンして、データとして持ち歩く
  • 講義は複数回受け、2回目以降の講義では、再生速度を上げ、次に講師が何を言うか予測しながら聞く
  • 移動時間には、講義ビデオを視聴 (テキストだと、眠くなる)

暗記方法

  • 最初から暗記せず、まずは理解を優先
  • 直前期まで、暗記はしない。まずは基礎をしっかり固める
  • 理解できると、暗記がスムーズ
  • 毎日時間を決めて、暗記作業をする
  • 早朝に音読
  • 夜に暗記、朝に再度暗記を繰り返す
  • 基準暗記CD
  • 暗記が苦手でも、何度も繰り返せば覚えられる
  • 教養科目は暗記が楽な順番に、経済>民法、会計

スケジュール編

  • 中長期的な戦略が合否を分ける
  • スケジュールには、概算で予想を立てる。答案構成、復習で20分/問→50問なら17時間、など。
  • 直前期の過ごし方で合否が分かれる
  • 合格体験記を参考に、自分に合った学習スタイルを確立する
  • 教養科目は、1年間を通じた勉強計画を立てる

メンタル面

  • 答練は、本番同様緊張して全力で受ける
  • 不安は一人で抱え込まない
  • 受験仲間をつくり、問題の出し合い、教えあい、問題を一緒に解く
科目学習方法
鑑定理論①各章・各論点同士のリンクをはる(体系的に理解)
②論点ごとに、答練の回数を記録
③暗記の前に、理解を先行する
④テキストを理解する
⑤答案構成の15分をスムーズに乗り越える準備をする(答案構成の練習)
⑥過去問は、平成1年~18年を中心に
⑦基準暗記は8日で1周させる
⑧教材は、特効ゼミ、旧三次試験問題
⑨過去問は、解くのではなく、覚える
⑩問いに対する答えを覚える(要点を1、2行でこたえられるように)
⑪教養科目の時間確保のため、できるだけ早い段階で仕上げる
⑫過去問を何回転も回す
⑬過去7年分の過去問を反復
⑭過去問は、答案の書き方の参考にする
⑮総学習時間の3割は鑑定理論に充てるべき
⑯過去問、答練など、多くの問題で答案構成を繰り返し行う。
⑰基準の基本フレーズ、テキスト右ページのよく使うフレーズをボイスメモで録音して、隙間時間に聞きまくる。
⑱重要部分をノートに書きだして、暗記。
⑲答案のボリュームがあった方が良い
⑳こう聞かれたら、こう答えるという答案構成力が明暗を分ける。
〇重要ポイントは、基準に書き込む
鑑定演習①アクセスの模範解答、優秀答案を参考に項目立て
②電卓技術を習得
③反復
④書くべきところ、書かなくていいところを知る
⑤1問1時間で解く
⑥類型ごとの流れを体にしみこませる
⑦練習勝負
⑧何度も解いて、精度とスピードを鍛える
⑨やった分だけ伸びる。アクセスコースを活用
行政法規①講義のポイントを理解する
②過去問を反復
民法①論点名と事例図を覚える
②論証例を暗記
③誰を勝たせるために、どの条文を使うか考える
④基礎的な論点を、理解優先で行う
⑤講義レジュメを繰り返す
⑥論点をノートにまとめて暗記
⑦問題形式で論点を整理
⑧理解+答案構成
経済学①ミクロはモデルをたくさん覚える
②マクロは、グラフのシフトを理解する
③試験委員対策をする
④答練、総まとめを何度も解く
⑤基本・総まとめテキストで講義を復習。基本で取りこぼさない。
会計学①定義、論点を書けるようにする
②基礎的な論点を、理解優先で行う
③答練で覚えるべきか所にマーカー、繰り返す
④固定資産を中心に、定義、要件等を暗記
⑤答練、総まとめテキストを見直し

不動産鑑定士試験本番までの計画

まず、試験を受けるにあたっての自分の立てた計画の変化をまとめていきます。
計画を立てた当初も、今も、「これがとりあえず最前かな?」という観点から立てているので、日々アップデートを重ねていっております。

2019年11月時点の学習計画

全科目を満遍なくやろうと、意気込んでスタートしました。
これだけできればベスト、という内容ではありますが、昼間フルタイムの仕事をしている僕にとっては、時間が足りず厳しい内容でした。(2019年12月追記)

  • 鑑定理論|3月までに完成させる
  • 鑑定理論|『不動産鑑定評価基準』の暗記はしない
  • 鑑定理論|特攻ゼミマスター問題集の内容理解を優先する
  • 演習|アクセスαを解き、解答フローを確認する
  • 演習|過去問をとき、解答フローを確認する
  • 民法|4月ごろから学習をスタートさせる
  • 民法|まずやることは、基本論点問題集の内容理解
  • 民法|論証例部分を、暗記
  • 民法|『基本論点問題集』の解答例を再現できるようにする
  • 経済学|ミクロ:答練で出題されたモデルを再現できるようにする
  • 経済学|マクロ:45度線、IS-LM、AD-AS分析を中心に、グラフシフトを再現できるようにする
  • 会計学|講義の論点を、「一言でいうと?」とまとめる
  • 会計学|自分で問題を作成し、理解を確かめる

2019年12月時点の学習計画

このままでは一次試験の学習が間に合わないと思い、「鑑定理論」と「行政法規」に絞った学習に切り替えました。
民法、経済は前回受験したときに高得点が稼げたことから、後回しに。
合格ラインが取れなかった会計学の基礎学習は継続することに。

  • 鑑定理論|過去問の平成1年〜を重点的に答案構成をする(答案作成はまだしない)
  • 鑑定理論|『不動産鑑定評価基準』の暗記はしない
  • 演習|アクセスαを解き、解答フローを確認する
  • 行政法規|休日に過去問を解き、平日に間違ったところの条文を確認する
  • 会計学|講義の論点を、「一言でいうと?」とまとめる

受験対策の完成形(暫定)

今のところの「最適な勉強方法」をまとめました。
バージョンアップを重ねて、試験前にはこのセクションが充実していることが目標。

勉強会の開催【受験仲間を見つける】

これまでは1人で黙々と勉強に打ち込んできましたが、幸いにも前職の先輩で鑑定士を目指している方がいらっしゃったので、毎週時間を決めて一緒に学習することにしました。

自分一人では手を抜いてしまいがちな部分を、勉強会でやるようにして勉強の渋滞をなくすようにしました。
勉強会のメリットは多く、

  • 途中で嫌にならずに、決めた範囲をやり通せる
  • カリキュラムに妥協が生まれない
  • わからないところは、教え合える

時間は、日曜日の朝7:00〜12:00(5時間)で、スターバックスの開店と同時に、勉強を開始します。
一人で勉強するよりも、より集中した環境で学習できました。

長期的なスケジュールを立てる【特に行政法規】

試験日から逆算して、「いつまでに」「どれくらい」やっておくべきか計画を立てました。
特に行政法規では、学習する範囲が広いので、一週間ごとに区切って学習範囲をあらかじめ定め、やった範囲は確実にマスターするようにしました。

持ち運ぶ教材は、最低限のものにする

その日に使わない無駄な教材を持ち運ぶ事はやめました。

これにより、学習の計画を立てるようになり、苦手な科目にも立ち向かえるようになりました。

これまでの学習で失敗したこと

同じ失敗は二度と繰り返してはならない。
ここでは、試行錯誤の結果、失敗したと感じたことを記録していきます。

【鑑定理論】過去問を回す回数が少なかった

鑑定理論の敗因は、過去問題集をおろそかにしてしまったことが一因だと思いました。

予備校の答練や、マスター問題集では、論点が掴みやすい「良い問題」が集められています。
ところが、鑑定理論の本試験問題では、基準の「重箱のスミ」を問うような論点は出題されます。
僕がかつて重点的にやっていた『マスター問題集』では、過去問から良質な問題を集めてはいるものの、80問という限られた問題数では本番向けの実践力は付け切ることができないのではないかと思います。
そうなると、やはり過去問を解くことは、合格への絶対条件なのではないかと思いました。

MEMO
鑑定理論は、過去問を徹底的にやる

【行政法規】無計画なまま過去問をやってはいけない

行政法規の学習は、長期的な計画を立てて進めるべきです。

過去問を解くことが定番の行政法規ですが、そのボリュームは相当に多い。
五肢択一のボリュームは、相当なものです。
仕事の繁忙も視野に入れ、少しずつ着実に知識を定着できるよう、長期的な視点で、学習計画は立てるべきと感じました。

MEMO
行政法きは、無計画な学習計画だと危険。
長期的なスケジュールで、着実に知識の定着を。

暗記を優先させすぎた

「不動産鑑定士試験=暗記」というイメージが強すぎ、理解の前に、暗記を優先させすぎてしまいました。

これの何がいけないかというと、論文問題を読んだときに、答案に書くための論理的な流れを作り出せなくなってしまうことです。
理解をしていなければ、論理立てて説明できない、ということは当然だと思います。

論文試験では暗記の精度よりも『不動産鑑定評価基準』の理解を問うているはずです。
ただ単に暗記しただけでは、この試験は突破できないと実感させられました。

MEMO
「基準」は、理解を優先する

民法ばかりに時間をかけすぎた

3度目のチャレンジで、民法ばかりに時間をかけすぎたのがよくなかった。

試験の配点から考えても、この試験では鑑定理論が最重要科目。
鑑定理論を得点源にして、教養科目は落ちない程度に…考えるのが効率的なのは、火を見るより明らか。

ところが、2回目の受験で、民法の得点が悪かったので、民法に重点を置きすぎた学習をしてしまいました。
民法の得点はずば抜けてよくなったけれど、合格するという目標からすると、ピントのずれた学習をしてしまいました。

MEMO
科目ごとの学習の割合を間違えてはいけない。
民法などの教養科目は、足切りラインよりちょっと上を目指す。

通勤の間にやる教材を増やしすぎた

通勤時間を勉強に充てること自体は、時間の効率的に使うという面で良いことだと思います。
ところが持ち運ぶ教材を増やしすぎたことで、困った事態になりました。

  • 勉強を始める前に、迷いが生まれる
  • 自分が得意な科目ばかりやってしまう→苦手な教科の学習が進まない
  • 荷物が重くなる
MEMO
その日にやる科目を決め、その教材だけを持ち運ぶ

役に立った教材

鑑定理論『ポケット版不動産鑑定評価基準』

不動産鑑定評価基準では、いくら理解が大事とはいえ、理解の後には暗記が必要です。
「基準」の暗記に活用したのがこの、『ポケット版不動産鑑定評価基準』。
僕がTACを受講した当時は、初年度受験生向け講座、上級本科生向けの講座いずれを受講したときにも配布されました。

基準と、留意事項がうまくミックスされており、論点間のつながりをつかむのに最適。
他の章とのリンクや、補足情報を書き込むのにも使っております。

民法『基本論点問題集』

絶版になり、プレミアがついています。
値段が釣り上がっていることからもわかりますが、鑑定士試験において超重要教材だと思うのが、この『基本論点問題集』です。

とにかく、合格に必要な論点が詰め込まれた良書。
民法が苦手でどうしようもなかったところ、この問題集を徹底的にやったら異様に点数が伸びました。
今年度の試験でも、民法はこの問題集だけを徹底的にやっていくつもり。

番外編|役に立ったグッズ

鑑定士試験を進めていく中で、役に立ったグッズをご紹介します。

紳士なノートB5サイズ

「書くストレス」を解消してくれるのが、この紳士なノートB5サイズです。

滑るような書き心地で、ペンが紙に引っかかる感覚がほとんどありません。
長文を描き続ける「答案作成」はもちろんのこと、素早く書き出したい「答案構成」でもストレスを減らしてくれます。

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