【今年は短答だけ】鑑定理論の勉強方法を合格者が解説

今年は短答合格だけを目指したいんだけど、予備校では鑑定理論・短答の勉強も「論文に向けた勉強をすべし!」といわれてるんだよなぁ。
でも、仕事の合間をぬって勉強してるので論文対策する時間は取れなさそう…。
なるべくムダな部分をカットして合格できる方法はないだろうか?

このような方に向けて書きました。

短答対策の王道は「短答の勉強はせず、論文対策だけする」ということです。予備校でもこのように指導されることが多いと思います。

鑑定理論・短答式の基本的な勉強方法

  1. 予備校講義で内容を理解
  2. 基準暗記
  3. 答案構成・作成練習
  4. 短答式過去問を解く

このような流れですね。僕もこのパターンで2度合格しています。
最終的には勉強のムダがないので、時間がある方はこの方法がオススメです。

とはいえ、勉強時間が思うようにとれなかったりして「今年は短答式だけ受験」という方もいらっしゃると思います。そのような方に向けて、なるべく時間をかけずに短答式だけを突破する方法を考えてみました。

勉強の方針を考えるときの参考にしてみてください。

記事の信頼性

2016年度と、2020年の短答式試験に合格済み。

【今年は短答だけ】鑑定理論の勉強方法を合格者が解説

「鑑定理論」は、最重要科目です。

  • 1次試験、2次試験の両方で出題される
  • 2次試験では600点中300点が鑑定理論
  • 多くの受験生も気合を入れて対策

勉強時間をかけるだけの価値がある、コスパの高い科目です。

他の科目をカンペキにしてもそれぞれ100点が限界ですが、鑑定理論は短答、論文合わせて400点の配点があります。

そんなわけですから、他の受験生もかなり厚めに対策をしてきます。
鑑定理論の失点は、他の受験生と差をつけられてしまい、合格点に到達するのがキビしくなってきます。

したがって、勉強にあたっては最重要科目だということを意識しつつ、気合を入れて対策をしていきましょう。

鑑定理論(短答式)の難易度

短答式に関して言えば、鑑定理論の難易度は低めだと思います。

暗記があいまいでも、正解の選択肢が選べれば合格ですからハードルはかなり低いと思います。

とはいえ理解が不十分では正解にたどり着けませんし、油断は禁物です。難易度は、あくまで「論文に比べてカンタン」というニュアンスです。

なお、試験形式は、五肢択一で2時間勝負。問題数は40問です。

MEMO
短答式では、論文式と違って基準全体からまんべんなく出題されます。

鑑定理論学習のゴール

勉強で遠回りしないためにも、「目指すべきゴール」を明確にしておくべき。

鑑定理論の学習は範囲も膨大なので「いかにムダな動きを減らすか?」が、短期間で合格するための秘訣だと思います。

試験問題で聞かれたことに答えられるようになる

つまり、過去問が解けるようになることです。

  • 不動産鑑定評価基準の暗記をやり込んだ
  • 予備校の講義を10回転した

これらは素晴らしいことですが、ゴールである「過去問が解ける状態」になっていないと意味がないです。
短答式試験の対策をもう少し掘り下げて考えると、次のとおり。

  • 問題文を正確に読む
  • 選択肢ごとにマル・バツを判定できる

問題文を正確に読むために、インプット作業が必要。
マル・バツを判定できるようになるため、過去問を解くことが必要。

いまやっている勉強が、本試験で役に立つのか?を考えながら勉強すると、効率の良い時間の使い方ができるはずです。
僕はここで、かなりの時間ロスをしてしまいました。

そして、もう一つ忘れてはいけないことがあります。

すべての問題を解けるようになる必要はない

この試験において、「完璧主義」は捨てるべきだと思います。

簿記3級などの簡単な試験であれば100点も目指せます。
残念ながら、鑑定理論ではいわゆる「難問」も混じってくるためパーフェクトは解答は、ムリです。

短答式試験では、鑑定実務をされている方にとっても疑義のある問題も出題されます。このような問題を鑑定のキャリアがない受験生が解くのはムリな話。当然、他の受験生の正答率も低くなりますから、やる必要ないと思います。

戦略を考えたとき、ベーシックな問題を確実に得点できるようになる方が近道だと思います。最初からやる必要のない範囲を除外しておけば、勉強の効率も格段に上がりますよ。

「戦略とは、やらないことを決めること」です。

鑑定理論(短答式)の勉強方法

ここからは具体的な勉強法をご紹介していきます。

  • ① インプット:必要な知識を理解
  • ② アウトプット:過去問を解く

今回は短答対策のみですので、上の2つだけを回していくと良いと思います。

過去問はついつい面倒になって後回しになりがちですが、こまめに解いていくことをオススメします。

インプットばかりやってしまうと、過去にやった内容を忘れてしまいます。
そして、やらなきゃいけない問題量が増えて負担が大きくなってしまう。

こまめに2ステップを回していきましょう。

① インプット:必要な知識を理解

試験範囲は「基準」「留意事項」なので、原文を読むだけなら国土交通省のページで見ることができます。

とは言え、これを読むだけで理解することは至難のワザです。まず、文章がわかりづらい。
そして、基準全体を貫いている論理のようなものがあり、この原文を読んだだけでは「試験問題に的確に答えるチカラ」はつけられません。

そこで利用したいのが、各種の教材。
大きく分けて、次のようなパターンがあります。

  • 資格試験予備校
  • ネット上の教材
  • 市販の参考書

一つづつ、詳しく見ていきましょう。

資格試験予備校

これが王道です。

不動産鑑定士講座はTAC、LECの二校の寡占状態になっています。

僕はTACの受講しましたが、鑑定理論は全18回の基本講義を通じて知識のインプットを行いました。LECの2021年合格目標では20回の基本講義となっているようです。

プロの講師による講義により、要点を踏まえた効率の良いインプットができるのが魅力です。

ネット上の教材

以前TACに在籍されていた山口先生が、不動産鑑定評価基準の概略を説明してくださっている動画があります。無料で見れるので、初学者の方はまずこちらを見てみるのがオススメ。

» 参考:鑑定評価基準の全体構造(初学者向け)

市販の参考書

「不動産鑑定評価基準」について書かれた解説書を読む方法もあります。

少し前に不動産鑑定士試験を受験された方は、『要説』という本を参考書にして勉強されていたと聞きます。現役の不動産鑑定士の先生方も、この『要説』をかなり参考にされているようですね。試験問題を作っているのは実務家の鑑定士の先生のようですので、『要説』を使うのもアリだと思います。

以上で内容の理解はかなりできてくると思います!

参考|学習を進める際の順番【章】

予備校を使わずに学習を進めるなら、オススメの順番はこんな感じ。

  1. 総論8章(鑑定評価の手順) → 総論9章(鑑定評価書の内容)
  2. 総論2章(種類) →総論3章(価格形成要因) →  総論4章(価格諸原則)
  3. 総論5章(基本的事項) → 総論6章(地域分析・個別分析) 
  4. 各論1章(鑑定評価方針) → 総論7章(鑑定評価の手法)

ざっくりと説明します。

①まず鑑定評価の全体の流れと、成果物である鑑定評価書の記載内容を確認
②基礎概念を理解
③手順の流れを理解
④実際の鑑定評価手法と、類型ごとの適用手法を学ぶ
といった順がわかりやすいかなと思います。

予備校は総論1章から順に進んでいきます。予備校に通っているならば、カリキュラムに沿って学習していけば問題なしです。

② アウトプット:過去問を解く

インプットが終わった箇所から、過去問を解きはじめましょう。

解き方のポイントは、Cランク(難しい)問題をすべてスキップすることです。

僕の場合は、A・Bランクの問題のみ解きました。
賛否両論あるかもですが、僕はベーシック・かつ誰でも解けるような問題を完璧にするのが合格への最短距離と考えました。

Cランク問題は時間がかかり、その時間をカンタンな問題を完璧にする作業に費やした方がおトクだろう、というのがその理由です。

解く回数は、迷わず正解が出せればOKだと思います。
場合によっては何度も同じ問題で間違ってしまうこともあると思いますが、解けるまで頑張りましょう。

解ける問題が増えれば増えるほど、合格に近づいているということです!

【余力がある方向け】追加のアドバイス

上の学習方法では「まだ余力があるな…」という方向けの学習法をご紹介します。

結論からいうと、論文むけの学習をちょっとずつ進めようというお話です。短答式試験に関係が深そうな箇所をピックアップしました。

余裕がある方は、次にあげた点も学習内容に加えてみてください。

「基準」「留意事項」の暗記を進めよう

短答式試験でも、暗記は武器になります。

わかりやすいのは、選択肢に「基準」の文言がコピペされてるパターンです。
この場合には、基準の文言をちょっと変えて選択肢が作られるので、暗記していれば「バツの選択肢」を一発で切れます。

でも、どこから手をつけたらいいか迷うところですよね。

僕のおすすめは、【用語の定義・4章の価格諸原則】から暗記することです。

「基準」の理解に、用語の定義は必須です。
理屈の土台になるのが定義ですし、定義は論文式試験で100%書くことになります。先まわりして暗記しておくと、後になって圧倒的にラクです。

あえて4章をオススメする理由は、基準の中で一番分量が少なく、「最有効使用の原則」などの重要論点が含まれているからです。
そして、章を一つ暗記しておけば、その後の暗記のプレッシャーがいくらか軽くなるはず。

以上の理由から、用語の定義・4章の暗記から取りかかるのをオススメします。

演習を同時学習するとオトクです

短答対策と並行して、演習対策をすると理解の精度が飛躍的にアップします。

というのも、演習の内容を理屈で説明したのが理論になるからです。いわば、両輪の関係。

例えば、理論で【原価法=再調達原価ー減価修正】ということを覚えたら、演習で計算フローとして確認してくような感じですね。

特に収益還元法は、理論で文章だけではわかりにくいところが、演習では実際の計算フローを眺めることにより、「あれ?こんな単純な話だったの?」と気付くことも多いと思います。

理解スピードが一気に上がりますよ。

まとめ

鑑定理論の短答式でも、インプット → アウトプットの学習の流れは同じです。

  1. まずは教材(TAC、LEC、ネット動画、参考書)を選び、学習
  2. 過去問を解いて、学んだ内容をアウトプット

以上の流れをきちんと踏めば、鑑定理論で合格点をとるのは簡単だと思います。

暗記方法に迷ったら

論文試験がある以上、暗記は必須です。

この作業が結構大変なんですよね。僕は暗記がかなり苦手ですが、試験直前期には「基準」にしてだいたい80%ほど暗記できてました。コツとしては、できる限り自分の感覚をフルに活用することです。

  • 視覚:目で見て読む
  • 聴覚:音声で聴き続ける
  • 触覚:運動しながら学習する・書いて覚える
  • 嗅覚:外出先でも暗記学習する

暗記学習の方法については、別記事でご紹介する予定です。

» 参考:不動産鑑定士試験でやってきた暗記テクニックまとめ(準備中)