【合格者が解説】行政法規の勉強方法|不動産鑑定士短答式試験

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  • 行政法規の効率的な勉強法は?
  • 宅建と鑑定士の行政法規はどちらが簡単?
  • 法律はどんな順番で進めていけば良い?
  • 普段不動産の仕事をしていないので、ツライ

このような方に向けて、書きました。

行政法規は1次試験だけで出題されるので、あまり時間はかけられません。一方で「簡単か?」と言われると決してそんなことはない。
実は、取り扱いの難しい科目だと思います。

記事の信頼性

2016年と2020年度の短答式試験で、合格経験があります。

2020年短答式試験の合格通知書

この記事を読んでいただくことで、次のようなことが分かります。

  • 行政法規の勉強方法がわかる
  • 行政法規攻略のコツがわかる
  • おすすめの学習の順序がわかる
  • 普段不動産の仕事をしていなくてもスムーズに学習するには

というわけで、ひとつ一つ見ていきましょう!

【経験談】行政法規の勉強方法を合格者が解説|不動産鑑定士短答式試験

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【最新版】行政法規の勉強方法を合格者が解説|不動産鑑定士短答式試験

行政法規の勉強の進め方

ざっくりいうと、インプットとアウトプットを合格者レベルまでやるということに尽きます。どちらが欠けても、合格レベルには達しません。

インプットは、山口先生の講座がおすすめ

インプットで迷ったら、まずは山口先生の動画教材を利用しましょう。山口先生はもともとTACに在籍されていた講師の方で、動画視聴だけであれば無料で視聴できます。(スゴイ)
レジュメが欲しい場合には、有料で対応してもらえます。

» 参考:元予備校不動産鑑定士講座講師のブログ行政法規

予備校を選ぶなら、TACLECのいずれかになります。受講者数が多いのはTACですが、実際に受講した受験仲間によるとLECもかなりよかったと聞きます。

いやいや、テキストだけで学習をするという方は、『不動産鑑定士 不動産に関する行政法規 最短合格テキスト 2020年度』あたりになってくると思います。ただし、僕はあまり合わなかったのでおすすめはしません。頻出の知識はよくまとまっていますが、頭に入ってきづらいというか…理解が進んだとはちょっと言いづらかった。人によるかな?

アウトプットは過去問一択

アウトプットは過去問をやればOKです。

注意点は、最新年度版を購入すること。行政法規は法改正が多く、古いものだと改正論点に対応できません。都市計画法や建築基準法などの出題数が多い分野で改正があると、ここでの失点はもったいないと思います。

予備校では「法改正講義」のようなものが用意されており、この分野の学習は厚めに対策してきます。論点によって改正点は出題可能性が上がるので、しっかりと対策しておきましょう。

また、この過去問題集は分厚い・二分冊と持ち運びがしずらく、かなり解くのが大変ですが、これに対する対策方法は後述します。

行政法規攻略のコツとは?

行政法規攻略のコツは、次の3つだと考えています。

  • 選択肢ごとに「マル」か「バツ」かを判定していくこと
  • 絶対に解ける問題をできるだけ増やすゲームだと考えること
  • 合格に意味のない目標は立てないこと

詳しく見ていきます。

選択肢ごとに「マル」か「バツ」かを判定していくこと

これが最重要です。

選択肢ごとに「マル」「バツ」を判定してください。間違っても「選択肢の”イ”がマルな気がするけど、他はわからん!」などという解き方はしないこと。

こんな感じで練習してました

どの選択肢が正解になってもおかしくないのが行政法規です。

選択肢ごとに「マル」なのか「バツ」なのか、「バツ」ならばどこが間違いなのかを丁寧に解いていくことで、本番に耐えられる知識が身につきます。もっというと、ひっかけポイントに気がつくようになります。

ただし、はじめはできないのが当然なので、あくまで「直前期にはこのレベルにいるべき」という長い視点で、頭の片隅に置いておいていただけると良いかと思います。

僕も、この作業のキツさはわかります。でも、このキツさを乗り越えたとき、合格はグンと近づいてきているはずです。

完璧主義に陥らないこと

行政法規は、7割取れれば合格です。つまり、過去問のすべての問題を解けるようになる必要はないということです。

では、どのような問題を解ければ合格に近づくのでしょうか?

答えは、「簡単」かつ「よく出る」問題を絶対に得点することです。すなわち、過去問集のA、Bランク問題ですね。Cランク問題はやる必要ありません。

少なくとも初学者でこれから過去問に取り掛かるという方は、やらない方が良いです。やる気が削がれ、疲れるだけだからです。とにかく、学習効率が落ちるます。

ただし、少し矛盾するかもですが、A、Bランクは完璧に近いくらい仕上げる必要はあり、Cランクは徹底的にやらないという方針が一番良いと考えています。

「Cランク問題が出たらどうする」という意見もあると思います。確かにその通りで、練習しなければ本番に解けません。でも、Cランク問題までを完璧に仕上げてくる受験生は、全体の何パーセントくらいいるでしょうか?短答式の鑑定理論や、二次試験対策もしなければならない以上、時間的制約からほとんどいないと考えました。

実際、僕はCランク問題はほぼ解かずに合格しています。

絶対に解ける問題をできるだけ増やすゲームだと考えること

確実に解ける問題を増やす「ゲーム」だと考えましょう。

国家資格である以上、過去問の焼き直しが多くなってきます。そうすると、過去に出ていた問題にどれだけ正解を出せるかというゲームになります。確実に解ける問題が増えれば、あなたの得点力は上がっている証拠です。

あまり気張らずに、ゲーム感覚で過去問に挑みましょう。

宅建と鑑定士試験の行政法規ではどちらが難しい?

鑑定士試験の方が難しいと思います。

宅建は4肢択一、鑑定士は5肢択一です。さらに、問われる法律の幅広さ、奥深さもあるので「宅建と変わらないだろう」と考えていると痛い目をみます。また、鑑定士試験の場合は短答式試験合格後に待ち構えている論文式試験の対策も同時並行でやらなければならず、かなりハードな戦いになります。

勉強のつらさをちょっとだけ軽減する方法

僕が試行錯誤しつつたどり着いた、勉強のつらさを和らげる方法をご紹介します。

  • 講義または動画教材の活用
  • 知識はノート1本にまとめる
  • iPadを使えば立ったまま過去問が解ける

講義または動画教材の活用

予備校の講義、または動画教材を活用しましょう。

不明点を参考書で解決していくのは、、かなり疲れます。過去問では、ただでさえ小難しく長い問題文を読まなければならず、これによって勉強が嫌になってしまうこともあります。

ここは手っ取り早く、講義や動画でインプットを済ましてしまうのが先決。それでも足りない論点を、テキストや参考書で補填していきましょう。

知識はノート1本にまとめる

知識はノート1本にまとめましょう。

法規ごとに覚えるべき知識の量はばらつきがあります。ところが、はじめはそんなことよく分かりませんよね。そこで、講義や動画で学んだ内容をノートにとると、法律ごとに必要な知識量がわかってきます。

過去問でわからないところがあれば、ノートを見返します。大体のことがノートに書かれていますので、これで解決すればOKです。

一方で、ノートに書いていなければ、新しい知識としてノートに書き込んでいくと、全体感とともに知識が積み上げられていきますのでおすすめです。(知識のデータベースを作っていくというイメージでしょうか)
僕の場合は、基本的に1枚の紙に対して1つの法律を書き込んでいました。例えば、こちらです。

都市再開発法の例

このように、法律全体のイメージがわかり、「建築基準法はめっちゃ覚える分量多いな」「農地法って覚えること、これだけ!?」などといったニュアンスをつかめます。分量が多い法律は、2枚以上にボリュームが膨れることもありました。
この作業だけでも精神的な負担はかなり軽くなりました。

iPadを使えば立ったまま過去問が解ける

過去問が重いので、断裁してPDF化してiPadに入れました。

iPadを開けばすぐに問題にとりかかれるので、学習開始までの初動が加速します。そして、カバンが重くならず、本がパタンと閉じてしまうこともありません。しかも、画面を二分割して片側に問題、もう片側にノートとすればこれだけで学習環境のできあがり。

このポジションなら、電車で立ってでも勉強できる。

これは、超絶便利です。例えば電車の移動中に立っていたとしても過去問を解くことができ、移動時間で一日の学習のノルマを終わらせちゃえます。

「問題集が重い」という心理的負担が軽減されるので、「どうも問題に取り掛かるまでに億劫に感じてしまう」と思っている方は試してみて欲しい方法です。

iPadの大きさは、11インチのApple iPad Proがベストでした。Apple Pencilも必須です。アプリは「GoodNotes5」が一番使いやすかった。

GoodNotes 5

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勉強仲間を作る

勉強仲間を作りましょう。

理由は、勉強のペースメーカーになってくれるからです。宅建とかならば孤独でも戦っていけますが、行政法規は難しいので仲間がいるとなまけ心を撃退できます。

特に初期は過去問を解くだけでイヤになりがちなので、勉強会を開くというのもおすすめです。僕の場合は、土曜日の朝7時から昼12時までは行政法規の過去問を解く時間ということで受験仲間と集まって開催していました。

おすすめの学習の順序は?

「出題傾向一覧」は過去問題集についてます。

よく出るものと、難易度が低めのものを優先的にやりましょう。

参考までに「僕がこれから勉強するならここから仕上げるかも」という法律を上げておきます。

よく出るもの

  • 都市計画法
  • 建築基準法
  • 土地区画整理法
  • 都市再開発法
  • マンション建替え等の円滑化に関する法律

カンタンなもの

  • 農地法
  • 土地基本法
  • 不動産の鑑定評価に関する法律
  • 国土利用計画法
  • 法人税法
  • 宅地建物取引業法
  • 宅地造成等規制法
  • 道路法

未学習の段階でいきなり30以上もある法律に対応すると、頭がパニックになります。これでは、いくら勉強しても知識がインプットされません。

そのため、よく出る・簡単でほぼ出るものを得意分野にし、確実に得点できる問題を1問でも増やすことが合格への近道です。

さらに、過去問集では難易度別にA~Cの記号がふってあります。
前述のように、僕はCランク問題を無視して「AとBランク問題」のみを集中的に学習しました。初学者の方であれば、まずはAランク問題のみを完璧にするのが良いと思います。

普段不動産の仕事をしていなくてもスムーズに学習するには?

予備校の講義などを活用しましょう。

正直、不動産はかなり独特な業界ではあるので参考書などを少し見ただけで理解できるような分野ではないと思います。(僕は少なくともそうでした)まずは、プロの講義を聴くことをおすすめします。

おまけ:僕の勉強法の失敗談

ラクをしようとするあまりに、間違った勉強法をとってしまった黒歴史をご紹介します。

過去問題集の解答ページを暗記しようとした

過去問題集の右ページには解答とともに、根拠となる条文が書いてあります。

僕はこの条文を丸暗記しようとしましたが、結果として大失敗。まず、条文にひとひねりされただけで解答できなくなってしまいます。とにかく、応用が効かないという事態になり「実践力」が全然つかないということに気付きました。

一通り条文をなんとなく覚えた後に去年分の過去問を解いて、驚愕しました。「全然解けない…」暗記は、あくまで受験テクニックの一つで、頼り切ってはいけません。

たぶん、このことは論文式試験でも同じですよね。

復習をおろそかにしてしまった

問題を解いた数に満足してしまい、復習をおろそかにしてしまいました。

受験勉強の本質は、「昨日解けなかった問題が解けるようになること」

「何度も問題を解き直した!」と聞くとスゴそうですが、できなかった問題を解けるようにならなければ意味がないんですよね。その辺を勘違いしてしまうと、時間ばっかりかかって合格に近づけないという事態に陥ってしまいます。

試験日までのスケジュール調整に失敗

科目ごとの勉強の時間の配分を間違えてしまいました。

「二次試験対策をしないと!」という一心から、論文対策に時間をかけすぎました。行政法規の習得には時間がかかります。早く論文対策をしないと…と不安になるのもわかりますが「今の勉強方法で試験日までに間に合う?」という視点から学習ペースを確認するようにしてみてください。

一次試験を突破しないと、論文の受験はありません。気をつけてみてください。

まとめ:合格者レベルのイン・アウトプットを完成させよ

まとめ:合格者レベルのイン・アウトプットを完成させよ

長くなりましたが、要点をまとめると次の通りです。

  • インプット教材を選ぶ(山口先生TACLEC市販テキスト
  • アウトプット教材は最新版の過去問を解くこと(上巻下巻
  • 過去問はA,Bランクを徹底的にやり、Cランクはとりあえず無視
  • 予算に余裕があれば、iPadApple Pencilが超絶に便利
  • 勉強始めたてのころは特に、勉強会などを開いてモチベーション維持を

すべきことは、あなたにあった教材を選びつつ合格者レベルのインプットとアウトプットを完成させることです。ある程度習得には労力が必要である以上、たまに見失ってしまいますが、ぜひこの大局観を見失わないでほしいです。

みなさんの短答式突破の一助になれば幸いです。ご質問などは、TwitterのDMよりお願いいたします。