低温調理でよく耳にする「メイラード反応」を解説しました。
このような疑問にお答えします。
普通に生活をしていたら「メイラード反応」なんて言葉は使わないと思います。
ところが、低温調理をする時には必ずと言ってよいほど耳にしますよね。
その原因は、低温調理の特徴があるからです。
つまり、「水の沸点100℃以上に加熱できない」からこそ、自分でメイラード反応を起こすというステップが必要になってきます。
ここでは、少し詳しめにメイラード反応について解説します。
目次
低温調理とメイラード反応を解説
メイラード反応とは「焼き色の」こと
メイラード反応をごく簡単に説明すると、「焼き色」のことです。
例えばトースターで焼いたこんがり焼いた食パンは、おいしく風味もよくなりますが、これはメイラード反応によるものです。
低温調理では100℃以上の加熱ができませんよね。
そのため、水槽からポリ袋を取り出した後にフライパンやバーナーであぶることでメイラード反応をおこし、風味を加えることがよく行われます。
他の調理法では意識せずに焼き色がつくことが多いので、あえてメイラード反応などということはありません。
ちなみに、メイラード反応の名前はフランスの化学者、ルイ・カミーユ・メラールさんが由来のようです。
メイラード反応は、食品に含まれている【タンパク質やアミノ酸】と、【ブドウ糖など】が熱によって結合・分解して現れる褐色化現象です。
この反応によって、【水分子(H2O)】と【数百種類の物質】が作られることにより、あの茶色い色や風味が現れます。
このメイラード反応、【タンパク質やアミノ酸】と【ブドウ糖など】の種類と比率によって結果は変わります。
例えば、パンを焼いた場合と肉の場合とでは風味が違いますね。
そうすると、メイラード反応は二つの物質の化学反応といえますが、組み合わせが無限大なので、かなり複雑な反応ともいえます。
すぐにメイラード反応を起こす方法
「できるだけ早く、メイラード反応を起こしたい!」
そんな時に知っておくと便利な知識をご紹介します。
メイラード反応は、154度でもっとも進みやすいといわれています。
温度は低すぎても高すぎても進みにくくなります。
メイラード反応を起こすためには、食材の水分量が超重要です!
食材の水分量は、多すぎても少なすぎてもよくなく、適度な水分量が良いとされています。
ちょっとアドバンスドな方法ですが、重曹や卵白を使う方法があります。
- 水で薄めた卵白を塗る
- 重曹をひとつまみ加える
これにより、メイラード反応が進みやすくなるといわれています。
よくパティシエさんで焼き菓子に卵白を塗ることがありますが、これもメイラード反応をすばやく起こすためだと思われます。
低温調理でメイラード反応を起こすための方法
温度・水分量などをコントロールすることで、メイラード反応はある程度コントロールできます。
低温調理では、以下の方法で水槽に入れる前後でメイラード反応を起こすことになります。
フライパン、またはスキレットで焼き色をつける
フライパンやスキレットはほとんどのご家庭にあるはずなので、一番お手軽な方法だと思います。
僕もガスバーナーを手に入れるまではフライパンを使った方法でメイラード反応を起こしていました。
ガスバーナーであぶる方法
ガスバーナーであぶる方法は、僕のいちばんのオススメです。
メイラード反応を起こしたい部分だけをパリッと焼き上げることができます。
例えば「鶏肉の皮を多めに炙ってあげたいなぁ」というとき、フライパンではなかなか難しいです。
バーナーを使えば、簡単に好きな部分の焼き色をつけることができます。
※僕が使っているバーナーは、「低温調理で必要な道具」で紹介しました。
オーブンを使ってメイラード反応を起こす方法
オーブンにかける時間は難しいですが、オーブンをかける方法もオススメです。
僕の場合は、豚肉などのブロック肉をかってきた時にはオーブンで焼き色をつけることが多いです。
この方法で作った焼き豚チャーシューは激ウマ。
考えただけよだれが出てきます。
まとめ:低温調理のレベルをグレードアップするメイラード反応
誤解を恐れずにいえば、低温調理しただけの食材はあまりおいしくありません。
たしかに「柔らかさに感動」することは激しく同意しますが、もう一つ何かが足りない。
低温調理がなんだか物足りないなぁと思ったら、メイラード反応を起こしてみてください。
味がガラッと変わるかもしれません。