低温調理器の電気代はどれくらい?【実測値を大公開】

  • 長時間調理だと、電気代が高くなりそうだなぁ…
  • 予熱・温度をキープするのにどれくらい電気代が必要?
  • カタログ値ではなく、実測値が知りたい

このような疑問にお答えします。

低温調理とは、湯煎状態にした食材を長い時間をかけて加熱する方法です。

そうなると「どれくらい電気代がかかるのか」が気になりますよね。

結論からいうと、お肉などの調理で多い60度近辺で「1時間あたり10円以下」でした。

本記事では、ワットモニターで電気代を実測した結果を掲載していきます。

MEMO
実測は「Anova Precision Cooker」を使って行いました。

【大公開】低温調理器の電気代を温度別に測定

【大公開】低温調理器の電気代を温度別に測定

2パターンで、電気代の計測を行いました。

  • 予熱の電気代【25度 → 設定温度】
  • 設定温度をキープする電気代【1時間あたり】

温度帯は、40度、60度、80度の3パターンに分けて実測を行いました。

それぞれ、発酵食品・お肉・野菜の低温調理を想定しています。

予熱の電気代【25度 → 設定温度】

設定温度40度60度80度
電気代3.57円8.40円14.28円
常温(25度)から設定温度まで加熱

予熱したときの電気代は、上の表の通りとなります。
つまり、常温を25度として、そこから設定温度まで加熱したときの電気代です。

温度帯によってだいぶ金額が違いますが、高めの80度設定でも15円ほどでした。

MEMO
お肉の低温調理では60度前後が多いので、1時間あたり10円程度が目安になりそうです。

設定温度をキープする電気代【1時間あたり】

設定温度40度60度80度
電気代1.47円4.20円10.08円
設定温度を保った場合を計測(1時間あたり)

上の表は、予熱が終わった状態で設定温度をキープしたときの電気代です。

予熱の半額程度になっています。
エアコンと同じように、電源をつけてから目標の温度に達するまでの電気代が高いようです。

MEMO
80度の電気代が高めですが、コンテナ内のお湯は湯気をあげているところを見ると「まぁ、これくらいはかかるよね…」という印象でした。

今回の計測環境

参考までに、今回電気代を測った環境をまとめます。

今回使ったコンテナは、プラスチック製で断熱性はほとんどありません。

そのため、クーラーボックスなどの断熱性のあるものをコンテナとして使えば電気代は安くおさえられるはずです。

また、12月に計測しているので夏などに測ればもっと安い金額になるでしょう。

水量は、普段の低温調理をするときと同じ程度の6リットルとして計測しました。

MEMO
日本使うことを想定すると比較的劣悪な環境だったので、ある種の上限値だと考えられます。

実際のレシピにかかる電気代はどのくらい?

実際のレシピにかかる電気代はどのくらい?

参考までに、代表的なレシピの電気代を計算してみました。

電気代は実測値をもとに計算したので、より実態に近い数字になっていると思います。

R-1ヨーグルトの低温調理【43度10時間】

R-1ヨーグルトの低温調理【43度10時間】

R-1ヨーグルトは43度で10時間なので、電気代は約18.27円となります。

3.57円(予熱)+ 1.47円 × 10時間(加熱)

10時間つけっぱなしで20円以下なので、かなり安いですね。

» 参考:低温調理器でR1ヨーグルトを1,000mlに増やすレシピ【失敗なし】

MEMO
近似値として、40度の場合の電気代を採用して計算しました。

鶏胸肉の低温調理【60度3時間】

ジンジャーシロップの低温調理【80度30分】

鶏胸肉の厚みが45mmの場合には60度で3時間の加熱が必要ですから、電気代は約21円となります。

8.40円(予熱)+ 4.20円 × 3時間(加熱)

63度とヨーグルトよりも高い温度ですが、加熱は3時間だけなので20円ほどにおさまりました。

» 参考:鶏胸肉の低温調理(準備中)

MEMO
温度・時間設定は、DouglasBaldwin.comのPoultryより引用させていただきました。

ジンジャーシロップの低温調理【80度30分】

ジンジャーシロップの低温調理【80度30分】

ジンジャーシロップを作る場合には80度で30分なので、電気代は約20円となります。

14.28円(予熱)+ 10.08円 × 0.5時間(加熱)

80度と高温ですが、調理時間が少ないため約20円となりました。

80度近くの温度設定をする場合、たいてい短時間調理となるので一度の調理で100円を超える電気代がかかることはないと思います。

» 参考:真空低温調理で作るジンジャーシロップのレシピ【活用例もご紹介】

電気代が安そうな低温調理器を3種類をピックアップしました

出典:Anova公式ページより

使う環境などによって電気代は変わってくるはずなので、実際に計測してみないと「どの低温調理器の電気代が安いか?」は言えません。

一つの目安として、定格消費電力をみるという方法が考えられます。

定格消費電力とは、「機能を最大限、使い切ったときの電力」の意味で、これが低い方が電気代を食わないだろうという仮定のもと、低温調理器をピックアップしてみました。

なお、低温調理器の定格消費電力が大きいものは、1,000Wほどです。

MEMO
他にもいくつか種類がありましたが、「自分だったら選ばないだろうな…」と思ったものは除外しました。

Anova Nano:750W

Anova Nano:750W

世界で一番使われているといわれる「Anova」のエントリーモデルです。

低温調理器ではめずらしい750Wとなっており、電気代をおさえることが期待できそう。

Anova Nanoはコンセントアダプタが3P仕様になっているので、日本のコンセントに差し込むための変換アダプタが必要です。
また海外製の製品なので、サポートは英語対応のみ。

旧型Anovaに比べて本体がスリムになり、ディスプレイは見やすくアプリにも対応。

小さめのナベでササッと低温調理するには、最適なのではないかと思います。

» 参考:楽天市場で「Anova Nano」を探す

MEMO
Anova公式サイト」からも購入できます。
こちらの方が安く買えるので、海外からの輸入に抵抗がない方はおすすめ。

BONIQ(ボニーク):800W

出典:Makuakeクラウドファンディングページより

日本の低温調理器メーカーから販売されているBONIQは、800ワットの定格消費電力です。

Anova Nanoよりはやや高めですが、800ワットならば低温調理器としては比較的低めな部類。

形状は旧型のAnovaとそっくりで、操作性はバツグンでした。

日本向けに設計されており、日本のコンセントにダイレクトに挿せる2Pプラグを採用。もちろん、サポートは日本語対応です。

僕もレンタルして1週間ほど使ってみました、設定温度通りの水温が出ますし、作りもしっかりしていると感じました。

MEMO
公式サイトではBONIQ2.0の予約が始まり、BONIQは在庫切れが続いているようです。
そのため、これから購入を考えている方はAmazonなどのECサイトより手に入れることになります。

シュアー(TC-900):840W

出典:「石崎電機製作所」公式HPより

国内メーカーの石崎電機製作所が販売する低温調理器「シュアー」です。

定格消費電力は840ワットで、今回紹介するものでは少し高めの部類になります。

調べてみると、この「シュアー」は飲食店でも採用され、水を循環させるシステムは「電動ポンプ式」を採用しています。

この「電動ポンプ式」では一般的な「ファンタイプ」と比べて水温をしっかり一定にさせることができるとされています。

やや値段が高いのが欠点ですが、低温調理器プロも使用している低温調理器ということで信頼性は高いのではと感じました。

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石崎電機製作所(Sure-ishizaki)

電気代は安いので気にしないでOK

電気代は安いので気にしないでOK

低温調理器の電気代を実測してみて思ったのが、「気にするほど高くない」でした。

使う頻度の高い60度という温度設定では、予熱で8.4円・温度キープでたったの4.2円です。

低温調理では電気代節約のため、「コンテナにフタをつける」「保温性の高いコンテナを使う」などと言われますが、断熱性がほぼゼロの状態でこの安さ。

なので、電気代はそんなに気にしなくてもいいかなと思います。どうしても気になる方は、カタログ値などを参考にして電気代の安そうなものを選べば大丈夫です。

「定格消費電力が低いほど電気代が安い」と仮定すると、電気代が安そうな低温調理器は次の通り。

どれも低温調理器としては有名なものばかりです。今回は定格消費電力の低いものを中心に紹介しましたが、そのほかの低温調理器については別記事で紹介しました。

» 参考:失敗しない低温調理器の選び方【おすすめの低温調理器も紹介】

というわけで以上、低温調理の電気代についてでした。