このページでは、リーズナブルで栄養豊富な鶏肉を低温調理する方法を解説します。
鶏肉の中でも特にムネ肉では、従来の調理法でどうしてもパサついてしまいがち。焼く、煮るでは絶対に味わえなかったジューシーさや柔らかさを再現できます。
▼低温調理の道具については過去記事も合わせてご覧ください!▼
鶏肉の低温調理
鶏肉の低温調理では63℃で3時間30分以上で食中毒のリスクをおさえられ、かつおししく食べることができます。
ここでは63℃で3時間30分以上という温度・時間の設定する理由をお話ししていきます。
理由①:アクチンの変性温度が65℃付近
お肉には様々なタンパク質が含まれていますが、おいしさに直結するのがアクチンというタンパク質です。ある温度になるとアクチンが変性してしまい、マズくなります。よって、この温度以下で調理をすれば美味しく調理できるということです。
鶏肉のアクチン変性温度は65℃付近です。
条件の一つとして、65℃を越えて調理してはいけないということがお分かりいただけると思います。
理由②:サルモネラ菌の生育温度が2℃〜47℃
温度が低過ぎると食中毒の恐れがあり、鶏肉の場合サルモネラ菌への注意が必要。
サルモネラ菌の生育温度は2℃〜47℃なので、この温度よりも高くしてサルモネラ菌を殺さなければなりません。
これについては米国が発表している安全基準、USDA FSISが参考になります。USDA FSISによると鶏肉は58℃以上の加熱が必要としてます。なるほど。
さらに、低温調理をするにあたって参考になる書籍『Cooking for Geeks 第2版』によると、鶏肉の温度は63℃以上とされています。
どちらも説得力としては十分に思えますが、食中毒リスクをできるだけ避けたいのでより安全な63℃を採用しました。
調理時間の根拠:『Cooking for Geeks 第2版』より
Cooking for Geeks 第2版』では、肉の厚みによって最低調理時間を示しています。
鶏肉の厚さ | 調理時間 |
15mm | 23分 |
30mm | 61分 |
45mm | 116分 |
60mm | 186分 |
もっとも厚い60mmの肉では約3.1時間の時間が必要です。
たいていの鶏肉は60mm以内だと思いますので、僕の場合はこれに少し時間を足してた3時間30分を設定時間としています。
もちろん、時間が長い分には危険性が増すことはありません。
例えば、AM8:00に低温調理を始めてPM6:00の夕食で取り出すこともよくありますが、全く問題ありません。
参考書籍

Cooking for Geeks 第2版 ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)
- 作者: Jeff Potter,水原文
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/12/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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