かろちょあ

趣味の料理・買い物を中心に、新しく経験したことなどを発信

魚の低温調理ー設定温度と設定時間ー

f:id:karochoa1:20180827163610p:plain

魚を低温調理しようとするとき、時間と温度の組み合わせはどのようにしているでしょうか?

結論からいうと僕の場合には ミディアムレアにする場合には55℃で8時間ミディアムにするときには61℃で4時間に設定しています。(根拠は主に『Cooking for Geeks 第2版 ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)』より引っ張ってきています。

パスチャライゼーションに必要な温度と時間の組み合わせは?

『Cooking for Geeks』によれば、魚を低温調理する場合の温度と時間については仕上がりがミディアムレアか・ミディアムか、脂の多い魚か・少ない魚か、魚の厚さがどれほどかという違いごとに分けて考えています。

今回は、脂の多い魚の設定だけ取り上げたいと思います。

脂の少ない魚についてはこれよりも短い時間でパスチャライゼーションできるので、下の基準にのっとって調理すれば、保守的な設定だと言えます。

脂の多い魚で、ミディアムレアにしたい場合

55℃に設定した場合には、次のようになっています。

厚さ  調理時間
60mm  472分(約7.9時間)
45mm  369分(約6.2時間)
30mm  293分(約4.9時間)
15mm  248分(約4.2時間)

脂の多い魚で、ミディアムにしたい場合

61℃に設定した場合には、次のようになっています。

厚さ  調理時間
60mm  237分(約4.0時間)
45mm  152分(約2.6時間)
30mm  85分(約1.5時間)
15mm  41分(約0.7時間)

温度設定が妥当かどうかを考えてみる

魚のミオシンは一般的に40℃付近で変性しますが、この温度だと食中毒の危険があるので40℃で調理するわけにはいきません。河川水などに多く生息するリステリア菌(生育温度1.5℃〜45℃)を抑える必要があるからです。

そこでリステリア菌の温度抵抗性を知ることが必要になりますが、これについては『食品健康影響評価のためのリスクプロファイル』より引用します。

70°C以上の温度で急激に死滅する。D-値は50°Cにおいて数時間、60°Cで は5~10分、70°Cでは10秒程度である。

出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000136n1-att/2r985200000138nk.pdf

D-値とは、当初の菌数を10分の1にする(90%を殺す)ための時間を表すものです。

そのため、少なくとも50℃以上の温度で数時間調理すればリステリア菌を10分の1まで抑えることができるということになります。(数時間とは何時間なのか、という問題もありますが)

『Cooking for Geeks』による温度設定では、ミディアムレアの場合にも55℃という50℃より少し高めの温度で、厚みの少ない魚でも4時間熱を加えていますから、安全圏と言っていいのではないでしょうか。

どうしても温度を下げて低温調理をしたい場合には?

「どうしても温度を下げて低温調理をしたい」という人に向けて『Cooking for Geeks』から気になった一節を引用してみます。

サーモンを生で食べても平気な人なら、例えば113℉/55℃のような非常に低い温度で数時間調理しても、問題とはならない。生で食べることに抵抗のある人なら、パスチャライゼーションに必要な温度と時間をかけずに調理するのは、おそらくやめておいた方が良いだろう。

出典:『Cooking for Geeks』P.348 ダグラス・ボールドウィンが真空調理方について語る より

生食用のものであればOKということだと思いますが、より安全を取るのであればパスチャライゼーションをした方がいいということになりそうです。

参考図書