かろちょあ

趣味の料理・買い物を中心に、新しく経験したことなどを発信

低温調理器Anovaとニンニクを使って抗酸化作用の高いアホエンオイルを作る

f:id:karochoa1:20180605170415j:plain

ニンニクは抗酸化作用のある健康食材として有名ですが、ある条件がそろうとさらに高い抗酸化作用が生まれる事はご存知でしょうか。今回はそんなニンニクのパワーを一手間加えることによって最大限発揮させようと思います。

加熱で独特のニオイは軽くなり、多様な用途に利用可能

ニンニクを使うので独特のニオイが強いかと思いきや、80度で一定期間過熱しているためかそこまで強いニオイは感じませんでした。

また、余計なものは何も入れていないのでとても素直な雑味のない味になっています。早速ドレッシング、温泉卵にかけて使ってみましたが、普段遣いの調味料としてとても使い勝手がいいなと思いました。ドレッシングで使うときはお酢、塩こしょうを加えるとおいしいです。パスタの仕上げとかにも使えそうですし、何か作るときのベースにももってこい。

有効成分はアリシンからアホエンへ

ニンニクの有効成分はアリシンですが、ある条件の下ではさらに抗酸化作用の強いアホエンに変化します。これらの物質がどのように生成されるのでしょうか?

アリシンが生成されるまで

ニンニクの中にはアリインとアリイナーゼという別々の物質が存在しています。この2つの物質が包丁などで切られることによって、化学変化を起こしアリシンという物質が生成されます。普段ニンニクを食べるときの有効物質はこのアリシンです。
しかし、このアリシンをある条件におくとさらに高い抗酸化作用を持つアホエンと言う物質が生成されます。これは生成することが今回の目的です。

アホエンが生成されるまで

アホエンを生成するには「細かくした生にんにく」+「80度加熱」+「油」が必要です。このアホエンの効能としては、抗血栓作用、抗菌作用、抗ウィルス作用、コレステロール低下作用、血小板凝集抑制作用、抗腫瘍作用があるといわれます。

アホエンオイルを作るときの注意点

アホエンオイルを作るときにはいくつかの注意点があります。本来であれば自分でアホエンの含有量を調べられればいいのですが、そんなことは個人レベルでは不可能なので、それぞれの事項に留意しつつ作ってみましょう。

温度は80℃以上にしない

アホエンオイルを作るのに適している温度は80度だそうなので、我が家で作る際には80度に設定しています。

実際は幅として40度以上80度以下で生成されるようです。
なお、アホエンが分解してしまうので、80度以上にしないほうが良いです。

80°C以上の高温では,E- および Z-アホエンとも に顕著な分解が認められた。

引用元:ニンニクの健康増進作用を増強させるための 加工・保存技術の開発

無難に作るなら、油はオリーブオイルで。

私は油として優秀なオリーブオイルを使用しています。実験上、大豆油、米油、オリーブオイルのいずれもアホエンオイルを作るのに結果に大差なかったのようなので、アホエンオイルを作るという点から言うならどれでもOKでしょう。

細かく砕き、化学反応させる

これについて繰り返しになりますが、アリインとアリイナーゼを結合させるために行います。これがないと後のアホエンを生成することはできません。必ず細かく砕きます

保存方法は遮光ビンを用いる

大阪府立大学の研究によると実験結果として遮光下で冷凍保存すると数ヶ月をもつとされているので、遮光ビンが良いでしょう。

実際の調理手順

作り方1.”大阪府立大学大学院”バージョン

➊ニンニクを細かく粉砕する

まずはアリインとアリイナーゼを反応させてアリシンを作るためにニンニクを細かく粉砕します。

➋低温調理器を80度に設定する

実験で設定された温度に固定するため、低温調理器で80度に設定します。

➌ジップロックに、にんにく・オリーブオイルを入れる

低温調理の通常の手順です。ジップロックにすべて詰め込みます。

➍ジップロックを低温調理気に入れ4時間待つ

低温調理機で4時間加熱します。以上で完成です。

作り方2.”地方独立行政法人青森県産業技術センター”バージョン

➊ニンニクを破砕する。

この工程は前に紹介したアホエンオイルの作り方と同じです。目的はアリインとアリイナーゼを反応させてアリシンを作ることです。

➋少なくとも2時間放置

前回のレシピと比べて違うところです。今回はにんにくを粉砕したあと少なくとも2時間放置するとされています。そのほうがアホエンの量は増えるとされています。

 

➌植物油を添加。

その後植物油をくわえます。今回の実験では、植物油の種類の指定はされていません。

なので、前回参照した論文から、大豆油、こめ油、オリーブオイルのどれかを使えばよいでしょう。我が家では例によって植物油の万能選手であるオリーブオイルを使います。

➍室温5日放置 または 55度で3時間

室温で5日間放置します。今回の資料では、「常温」「55分加熱」「80度加熱」の3パターンでアホエンの量を測っています。中でも一番量が多かったのはなんと常温で5日間おいたものでした。低温調理機がないご家庭だとこの方法がやりやすいかもですね。

一方で55度で3時間でもアホエンの量が多いです。時間対効果で見ると55度3時間の方が優れていると思います。低温調理機があればこちらの方法がいいかも。

アホエンオイルの使い道

サラダのドレッシングとして

サラダのドレッシングとして使うとニンニクの香りとオリーブオイルの香りが相まってとってもいい感じに食せます。余計な添加物も入っていないので安心して食べれますし、アホエンの抗酸化作用もありますから一石二鳥です。

半熟たまごにかけて

半熟たまごの黄身部分に少しかけてやるとこれまた美味です。なんというか雑味のないマヨネーズのような味がして癖になる味です。何個でもいけそう。

 

保存容器はどうするか

さて、以上で見てきた手順でアホエンオイルが完成しますが保存容器はどのようにしたらよいでしょうか。ここでは保存容器の条件、具体的な容器を考えていきたいと思います。

保存容器の条件

➊密閉性が高いビンが良さそう

やはり気密性の点からいえばビンがベストだと思います。

➋遮光

実験の資料でもありますが、遮光性能が求められるので遮光瓶がよいと思います。ネットショップなどでは「オイル/ビネガーディスペンサー」というおしゃれな商品もありますが、こちらはほとんどが透明の瓶なので、遮光性の面で却下。

➌大きさ

極端に大きいサイズでは使い切れなかったり、劣化が心配でしたので、適度な大きさを探しました。また小さすぎもすぐに作り直さなければいけないのでNG。

具体的な容器

以上に見てきたような容器を探すと、意外と見つからないものです。そこで今現在瓶をめぐっては試行錯誤を繰り返しているところです。

➊ビオフェルミン錠のビン

はじめは大きさ的には適度でいい感じで、遮光性能の高い茶色なので使っていました。しかし、これだとスプーンですくう必要があり、ビン口が小さいので出すのが面倒です。いまは使ってません。

➋オリーブオイルのビン

少し小さめのオリーブオイルを購入し、このビンを使っています。ビンごと低温調理機に突っ込めるので、手間は格段に減りました。

結局のところどの作り方が正解なのか?

成分の分析ができない以上、ただの料理好きの私がこれ以上追求するのは不可能。新たな論文の登場を待つしかないと思っています。

素朴な疑問としては➊アホエンの元となる物質アリシンは揮発性のため2時間放置してもいいの?という点。あとは、➋大阪府立大学大学院の論文では80度が最も抽出できたようなんですが、今回のは80度だとイマイチな抽出量だったみたいなんで、少し気がかり。

参考文献

▼ニンニクの健康増進作用を増強させるための 加工・保存技術の開発

http://urakamizaidan.or.jp/hp/jisseki/2007/vol16urakamif-03akagawa.pdf

▼今回の参考文献はこちら「地方独立行政法人青森県産業技術センター 農産物加工研究所 農産加工だより」

http://www.aomori-itc.or.jp/assets/files/nousankako/dayori/dayori56.pdf